沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場からドラム缶700本分以上の泡消火剤が住宅街に漏れ、周辺住民に不安が広がっている。発がん性の疑いがある物質が含まれているためだ。日本政府や米軍は異例の対応に乗り出したのだが。
「綿が飛んでるよ」。10日夕、宜野湾市の第2さつき認定こども園の庭で、園児たちが宙を舞う白い泡に気がついた。与那覇峰子園長(55)は、40メートル先の基地が気になり、とっさに園児に伝えた。「何が含まれているかわからないから、触らないでね」
数時間後、この泡が基地内から漏れ出た消火剤で、有機フッ素化合物の「PFOS(ピーフォス)」が含まれていると与那覇園長は知る。「注意はしたけれど、本当に危険かもしれないものが舞ってくるなんて」
泡は園舎や遊具にも付着。砂場も使用中止にして砂を入れ替えた。漏れ出た泡消火剤の総量は約22万7千リットル。このうち回収できなかった約14万3千リットル(200リットルドラム缶換算で715本分)が基地外に流れたと米軍は説明。原因については調査中という。
PFOSは健康や生態系への悪…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル